2012年シーズンから不調を度々口にするようになり、「ロングパットは思い切って打てているけど、短いパットが打てない、ある意味イップスですね」と、この日の会見とは別の意味の涙を会場で流し、幾度も唇を噛んできた昨シーズンまでの大荷物だ。帰ってくるのを待っているから」。
ヤマハ X Z CAVITY 同じ経験をした先輩選手らに教えを乞い、原因はやはりメンタル面にあると確信したという。本人の自己分析によると、“普段からマイナス思考で、思ったことは変えることが出来ない頑固者”という藤田だが、少しずつ自身の観を変えてきた。たどり着いたのは「それならそのマイナス思考のまま受け入れてしまえばいい」との境地。第三者には禅問答のようにも聞こえる、ぎりぎりの“プラス思考”を保てるようになった今、パッティングに輝きを取り戻し始めた。
テーラーメイドスピードブレード SpeedBlade時を同じくして優勝から遠のいた2年の間には、プレーの励みになり、癒しにもなる優しい言葉さえ、時として重みを変えたに違いない。この日の会見で流した涙には、そんな時にも変わらず寄り添ってくれた家族への感謝が含まれていたことは想像にかたくない。